綱の特権
名古屋場所の番付発表です。
白鵬の昇進でいよいよ東西に横綱が揃いました。
大相撲において最高位である横綱。
今日は横綱の特権について長々と。
横綱の特権
1、横綱をつけることができる
2、横綱土俵入りが行える
3、番付が降下しない(不振が続けば引退勧告を受ける)
4、引退後現役の四股名で5年間、年寄(いわゆる親方)となれる
5、還暦の際に還暦土俵入りが行える
<横綱をつける>
三揃えの廻し(三つで1セットの廻し)をつけ横綱をつけることができます。
綱は雲流型と不知火型の二種類です(後述)。
横綱には10~15人の付け人がつきます。
これは綱をつけるためにそれだけの人手が必要だからです。
<横綱土俵入り>
横綱は土俵入りの際に行司の先導をつけ、露払い※、太刀持ち※を従えます。
土俵に上がると向かって右側に太刀持ち、左側に露払いが蹲踞※します。
横綱・太刀持ち・露払いは三つで1セットの廻しをつけます。
※露払い
原則として横綱と同部屋・または一門の大関以下の幕内力士がつとめる。
土俵入りの際に横綱の前について入場する。
※太刀持ち
原則として横綱と同部屋・または一門の大関以下の幕内力士がつとめる。
土俵入りの際に横綱の後ろについて入場する。
太刀は竹光または真剣を用いる。
露払いよりも番付が上の力士がつとめる。
※蹲踞
膝を開いて爪先立ちでかがむ。
相手に敬意を表する意がある。
大相撲以外で柔道、剣道などでも行われる所作。
1、拍手
→蹲踞して腕を開いて拍手を打ちます。
2、塵手水(ちりちょうず)
→揉み手をして再度拍手を打って手のひらを上に向けて腕を横に開きます。
腕を横に開いて後、手のひらを下に返します。
かつて野外で相撲を取っていた時代に草をちぎって手を清めた所作。
腕を開いて手のひらを返すのは武器を持っていないことを示し、正々堂々戦う
ことを表します。
3、仕切り線へ移動
→中央の仕切り線へ移動。
4歩と歩数も決まっています。
4、拍手二回
5、右四股
→左手を上げ、右足で四股を踏みます。
お客さんは四股にあわせて「ヨイショ!」という掛け声をかけます。
6、せり上がり
→横綱土俵入り一番の見せ場。
四股からつま先と踵の動きで前にかがみながら立ち上がります。
雲竜型と不知火型があります。
<雲竜型>(朝青龍)
右手を伸ばし左肘を曲げて腰に当てる型。
伸ばした右手は攻撃を表し、曲げた左手は防御を表します。
攻守兼備の型。
近年では貴乃花、曙、武蔵丸などが雲竜型を採用しています。
後ろの綱の結びは輪がひとつ。
綱の長さは4m前後で重さは8kg前後。
<不知火型>(白鵬)
両手を伸ばした型。
伸ばした両手は攻撃を表す超攻撃型。
不知火型の横綱は短命というジンクスがあります。
近年では若乃花が不知火型を採用しています。
後ろの綱の結びは輪がふたつ。
綱の長さは7m前後で重さは13kg前後。
7、右四股、左四股
→せり上がった後、右~左と四股を踏みます。
ここでも四股にあわせて「ヨイショ!」と掛け声が掛かります。
8、二字口へ戻る
→土俵入りした最初の場所へ戻ります。
このときの歩数も決まっています。
9、拍手~塵手水
→蹲踞して拍手を打ち、塵手水を切ります。
10、礼
→露払い、太刀持ちとともに立ち上がり一礼して退場します。
横綱土俵入りは文字通り横綱にだけ許されたものであります。
神社の神事において奉納土俵入りがされることもあります。
十両以上の力士も土俵入りを行いますが簡略化されたものです。
<十両以上の力士の土俵入り>(参考)
1、拍手
2、右手を上げて化粧廻しの端をすこし持ち上げる(四股を表す)
3、両手を上げる(塵手水を表す)
横綱土俵入りは興行としてみた大相撲の見せ場のひとつであるといえます。
大変体力を使うことから「横綱は一日に二回取組をするようなもの」ともいわれています。
<番付が降下しない>
横綱以外は本場所で負け越すと黒星に応じて番付(地位)が下がります。
横綱はいくら負け越しても番付が下がることはありません。
その代わり成績不振が続くと引退を勧告されます。
<引退後に現役時代の四股名で年寄になれる>
横綱は引退後5年間は現役時代の四股名で年寄(親方)として協会に残ることができます。(例:武蔵丸親方)
しかも待遇は委員待遇(年寄の筆頭)です。
この5年の間に年寄名跡を取得すれば引き続き協会に残れます。
その後は取得した年寄名になります。
因みに「多大な功績を残した」と認められれば「一代年寄」として定年退職まで現役時代の四股名で親方としていられます。(例:貴乃花親方)
取得できなければ退職となります。
ちなみに大関の場合は3年間、現役時代の四股名で年寄として残れます。
それ以外の力士にはこうした特権はありません。
<還暦土俵入り>
還暦を迎えると還暦土俵入りを行えます。
赤い横綱をつけて行います。
(第57代横綱・三重ノ海:武蔵川親方の還暦土俵入り)
普段、露払いと太刀持は大関以下の力士が行いますが還暦土俵入りに限っては横綱がつとめる場合があります。
大鵬の時は太刀持を北の湖、露払いを千代の富士がつとめました。
(サッカーで例えればペレ、マラドーナ、ジーコが揃い踏みするようなもの)
なんとも豪華です!
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コメント
丈ムーさん、どうもです (^^)/
「横綱」は、角界の最高位ではありますが、番付上の最高位は、あくまでも「大関」であって、横綱ではありません。
番付表に一番大きく名前が載っていますから、いかにも番付上の最高位が横綱だと思っていらっしゃる方も少なくないのですが、実際には横綱は「名誉職」ですから、丈ムーさんがおっしゃるような様々な特権が与えられます。
このヘンについては、私のブログでも過去に書いた事がありますので、良かったらご覧下さい ( ^-^)/ ♪
http://yume-peterpan.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_c7cf.html
投稿: 夢見るピーターパン | 2007年6月26日 (火) 10時10分
>夢見るピーターパン様
どうもどうも。
お久しぶりです。
おっしゃるとおり横綱はいわば「名誉職」です。
規定では番付の上では大関は必ず東西に一人ずついなければなりませんが横綱はそうではありませんしね。
大関がいない場合は横綱が「横綱大関」として大関を兼ねることこらしても「横綱」という地位の特殊性が表れています。
また「番付上」は「大関」が最高であることの表れでもあります。
ブログも拝見させていただきました。
トラックバックもありがとう御座います。
投稿: 丈ムー | 2007年6月26日 (火) 16時00分